よく噛むことがとても体にいいことをご存知ですか。よく噛むだけで健康になれてダイエットにもなるとしたらこんなお手軽な健康法はないと思いませんか。
現代人はあまりものを噛まなくなったといいます。
神奈川歯科大学斉藤滋氏が食文化史研究家永山久夫氏と一緒に古代から現代までの食事の中から、弥生時代の卑弥呼と平安時代の紫式部と鎌倉時代の源頼朝と江戸初期の徳川家康と江戸中期の徳川家定そして昭和10年代庶民と現代の食事を用意して学生に食べさせて、食事を食べ終わるまでに何度噛んだかということを計測しました。これによると、卑弥呼食では3990回噛んでも食べきれず、紫式部食では1366回、源頼朝食では2654回、徳川家康食では1465回、徳川家定食では1012回、昭和10年頃の庶民食では1420回、現代食は620回という結果となったそうです。卑弥呼職を食べた学生さんは急にあごを酷使しておかしくならなかったか心配します。
この結果を見ると現代食の噛む回数が極端に少ないことが目立ちますね。私たちは古代から段々と噛む回数が減っているようです。しかし、紫式部や徳川家定の噛む回数が前後に比べて減っています。これは戦争がなく豊かな食生活をおくれる時代になると噛む回数が減る傾向にあるそうです。噛む回数が極端に少ない私たちはとても豊かな食生活を送っていることになりますね。
よく噛むことで健康になれるそうです。さて、その根拠をご説明しましょう。
まず、よく噛むと唾液がたくさん出るので口の中をきれいにする作用があるといいます。口の中をきれいにすることは、虫歯や歯周病の予防になり、ひいては口臭を予防してくれます。
よく噛んで食べ物と唾液を混ぜることで唾液に含まれる酵素が消化を助けてくれます。食べ物の大きさを細かく砕くことで表面積が大きくなり消化酵素による分解率もアップするのです。よく噛んで食べることで胃腸に負担をかけることが少なくなるのです。
よく噛んで食べることは生活習慣病予防やがんの予防にもなるといわれます。唾液にはがんを引き起こす要因と考えられている活性酸素を抑制する効果があるとされています。よく噛んで食べると唾液がたくさん出てがんを予防する効果が期待できるのです。
よく噛むことは脳の健康のためにも良いようです。食べ物をよく噛むと脳の血管が拡がって、脳により多くのブドウ糖や酸素などが送られるので脳が活性化されると考えられるのです。また、噛むことで脳の満腹中枢が刺激されるので食べすぎを抑えることができ、体の熱を発生させ、内臓脂肪の分解にも効果があるといいます。
また、姿勢にも影響があるといいます。噛むという動作はあごの筋肉だけを使うのではないようです。首筋や胸や背中の筋肉を使って下あごを動かしています。よく噛むということはこれら上半身の筋肉の運動になるので上半身の姿勢が自然と整っていくことになるのです。
よく噛むことは上で紹介したように、虫歯や歯周病を予防し、胃腸の負担を軽くし、脳を活性化させ、ダイエットにもなり、姿勢も良くなるといいことだらけです。では、今日から硬い物をバリバリ噛むぞなんていうのは続きませんよ。筆者個人の経験なのですが、いきなり硬い物をたくさん噛むとあごが痛くなりますし、歯茎も腫れてしまいました。極端なことはやめたほうが無難です。
よく噛むことの目標は「一口30回」です。食事の全てを食べごたえのある食材にする必要はありませんが、食べごたえのある食材を食事の中に取り入れていくように努力しましょう。食べ応えのある食材は食物繊維が豊富であったり、筋繊維の多い肉類などです。具体的には野菜や海草やキノコ類、野菜でもキャベツなどは煮込んであるものではなく生のものが良いでしょう。ほかに、牛肉や豚肉ならばソテーされたもの、イカやタコなど噛み切れないもの、するめや魚の干物なども良いですね。ご飯ならば白米でなく玄米のほうが噛みごたえがありますね。
反対に、ハンバーグやスパゲティやグラタンなどのメニューはあまり噛まない食事の代表です。忙しいからといって簡単に済ませることのできる食事ばかりしているのは感心しませんね。体のことを考えるとよく噛んで食事をしたいものです